最強少女は男装幹部
 きっとあの時、僕の様に救われたと感じたのだろう。

だから、恩返しをしたい。その気持ちは一緒だ。

 
 シズルさんが僕の隣に座り、三人並んで縮こまる。

だんご三兄弟みたいだな、と思っていると、シズルさんが話し出した。

 「いつもリンに任せてばっかでごめんね。昔は子供みたいだったのに、今じゃ保護者みたいだね」

 「懐かしいですね。確かに、前まではよくシズルさんの背中に隠れてました」


 たった数ヶ月前のことなのに、何年も前のことの様に思える。

 今では隠れることもなく、積極的になっているのだから驚いたものだ。

 「ここ数ヶ月で、僕は変われたんです。それは全部、アカネくんのおかげです。だから、僕も彼にお返しがしたいんです」


 僕がそういうと、シズルさんは柔らかく笑い返してくれる。

ぎこちなくない、自然で穏やかな笑顔だ。

 「そうだね。僕もアカネくんに救われた。でも、リンも偉いよ。謙虚にならなくてもいいのに」

 「そんな、、、まあ、気持ちだけは受け取っておきます」

 「素直じゃないなぁ」
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