最強少女は男装幹部
 煩く生ぬるい空気の中、摩天楼の間を通り抜ける。
  
 暫く歩き続けていると、暗い路地裏から金色の何かが見えた気がした。

キラッと光るそれは、人間の髪の毛のようだ。

パッと見るに、丸くなる様に四人で何かを話している。

その背中は、何処か後ろめたいことを隠しているようだった。

 
 興味を示した私は、路地裏へと足を進める。

 今日の目的を果たす事ができそうだ。

憂さ晴らしの為だけに、自ら危険な世界へと足を踏み出していく。


 ウキウキワクワクは広がり続け、胸の中で膨張する。

 一刻も速く殴り込みたいという衝動的な感情が、私の理性を覆い隠す。


 喧嘩は好きだ。こういう憂鬱な日ほど。

特に人道的でない、反社会的な人間はもっと好きだ。

いくら殴っても、言い訳が効くから。


 いつの間にか、暗い路地裏にたどり着いていた私。

そこは、人口の強烈な光さえも入らない、暗い場所。

薄汚くて、なんだか湿った空気が漂っている。

全てが不気味で、不穏な空間。
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