最強少女は男装幹部
 シズルさんと話しながら、穏やかな午後を過ごす。

眠る君の横顔が、少し寂しい空気を漂わせる中。

小さな静寂を堪能し、始まりの日を思い出す。


 朝日に照らされた君を、僕は神様だと思っていた。

なにも特別ではない、午前の柔らかい日差しの中。

君を敬愛して、祀り上げた。


 押し付けがましい理想を突き付け、自己解釈をしていた。

君の自由と個性を、否定していた。


 まあ、未成年飲酒は如何なものかとは思うが。

それでも、君の天性の才を押し込みかけた。

 なんとも愚かで身勝手だったと思う。

でも、君は許してくれた。

 僕を成長させてくれた。


 僕の幼く未熟な心を救い、成長させてくれたのは君だ。

愚かで汚く醜い、ただの人間な君。

 それが、泣いてしまいたいほど嬉しかった。

君が神様でなくてよかったと思った。


 君には、そんな姿が似合う。

君がただの美しい純白な少年だとしたら、僕はこの様にはなっていなかった。

ただの綺麗なものじゃなくて、生々しい人間の心を持った君だったからこそ、僕は惹かれた。
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