最強少女は男装幹部
 二人で穏やかでザラつきも粘り気もない、純粋な会話を交わす。

シズルさんの言葉は嫌じゃなくて、心の底から綺麗なんだとわかる。

だから、思い切って言うことができたのかも知れない。


 隣で眠るアカネくんの綺麗な横顔を眺める。

恋い焦がれる、とか恋煩いとかはよくわからないけども。

この気持ちが勘違いではないことは、確かだと直感が告げている。


 まさか男に恋をするとは思わなかったが、まあ大丈夫だろう。

一人称が普段は『私』らしいし、本当に心は女の子なのかも知れない。

その時は、僕が寄り添ってあげよう。


 心で小さく告白したのち、僕も静かに眠りについた。
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