最強少女は男装幹部

とある絵画と苦い思い出

 アカネside

 意気消沈、というやつになって一週間。

殆ど塞ぎ込み、夜すらも家から出なかった。

学校だけはなぜか意地でも行き、リンにくっ付いていた。


 性別を偽り、騙しているという罪悪感。

自分の最低さに明け暮れ、死にたいと願う夕方。

数少ない母の残響を聴く日々。


 リンだけが心の安定剤で、彼がいなければ心が折れてしまいそうだった。

シズルやジンも声をかけてくれるし、倉庫に行くと受け入れてくれる。

 それだけが支えで、義務の様に通い詰めていた。


 そんな優しい人たちにも、嘘をついていると言う後ろめたさ。

もう過ぎたこと、とは言えない。

私はいろんな罪を犯して、罰せられるべき人間。

 そう分かっていても、相変わらずの身勝手さは変わらない。


 自分は罪を背負った人間と分かりながらも、誰かに救いを求めている。

自分のせい。自業自得。無理を承知で生きてきたはずだ。

ここにきて後悔しても、全てが遅い。
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