最強少女は男装幹部
 「アカネくん。次の授業はサボる?」

 隣から声が聞こえ、そちらに首を向ける。

 いつも通り、リンがそこにいてくれていた。


 灰色の髪を揺らしながら、私を心配してくれる。

 思えば、私の隣にはいつもリンがいた。

どんなに最低な事をしても、居てくれた。

 こいつも、とんでもない馬鹿だ。

字が書けないとか、頭が悪いとかじゃない。

私みたいな人間といることが、頭が悪い。


 「、、、サボる」

 「そっか。無理しないでね。あ、凄い、、、」

 リンの声に反応し、同じ方向に首を向ける。

 そこには、一枚の絵が額縁の中で輝いていた。


 美術室の隣の廊下。

受賞作品が壁に貼られており、それぞれが違う色を重ねている。

 頭が足りない分、他の才能に溢れている者は少なからずいる。

この絵を描いた人もそうだったのだろう。異才だという事が一目見てわかる。
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