最強少女は男装幹部
 まだ小学六年生の頃。

 母が死んだことに慣れてきて、寂しさが麻痺してきていた頃。

まだ純情で、白く淡かった幼い私は、一人の時間を埋めることに明け暮れていた。


 絵を描くのが幼い頃から好きで、その気持ちは色褪せることなく続いていくと思っていた。

まだ一年生の頃だったろうか。図工の授業のコンクールで、私の絵が金賞を取ったのだ。

 その時に、初めて母に褒められた事を思い出す。

 
 その時のことが嬉しくて、また絵を描けば母は喜んでくれると思っていた。

母が死んでからも、虚しさを埋める様に描き続けた。

 しかし、その頃から異変が起き始めていたことに、周りは感づいていた。

私自身は気がついていなかったのだが、今思えば奇行を繰り返していた。


 給食を突然ゴミ箱に捨てたり、友達の髪留めを奪い破り捨てたり。

そんな事を繰り返しているうちに、嫌われ者になった私。

 私からしたらいつも通りで、何も変わっていないと思い込んでいた。

徐々に崩壊していっていることに気がついていなかった。
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