最強少女は男装幹部
 そんなある日、一人の男の子に絵を破り捨てられた。

 私への報復か、からかっているつもりのイジメだったのか。

無理やり私のお絵かき帳を奪い取り、1ページ1ページを破り捨てた。

 そして床にばらまき、内ばきの底で踏みつけ始めた。


 それに便乗したクラス中の人間が、私の絵を踏みつけ始めた。

男女関係なく、私の絵を踏みつけた。

中には更に加筆して汚したり、粉々に細かく破り捨てた者もいた。


 皆から不評を貰い、最後に残ったのは紙吹雪と化した紙切れ。

皆が口を揃えて『下手くそ』『気持ち悪い』『絵を描くな』と言い捨てた。

 地面に座り込み、紙切れを掻き集めた時の心情はもう忘れた。


 ただ、その時から絵を描かなくなった。

 だからこの絵を見て、羨ましくなった。

高校生になっても描き続け、周りから評価されていることが。

私とは違う、めげずに続けた。

 
 いいな。

その一言だけが、頭の中で残った。
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