最強少女は男装幹部

とある非行少女の夜


 苛つく。凄く苛つく。全部壊してしまいたい。

 自室に寝転がりながら、心の中でぐちぐちと負の感情を巡らす。

 こんな時は、身体がうずうずしてしょうがない。


 よしっ。一暴れするか!

 そう思い立ったがすぐ行動。

 勢い良くベッドから飛び降り、早速夜の街に繰り出す準備をする。

 イラついている時は、そのエネルギーを拳に宿すしかない。

 不良の私が知る最大のストレス発散法は、人を殴ることだった。

 
 そこら辺に脱ぎ捨ててある服の山から、適当に衣類を引っ張り出す。

 殆どが黒のシンプルな服なので、どれを選んでも対して変わりはしない。

 別に特別黒が好きな訳ではなく、汚れにくそうなのを買っていたらこうなっただけだ。


 カラフルな服を選ぶ事すら気怠さが勝つ私は、いつも同じ様な服を着ていた。

 今度、可愛い洋服でも買ってみようかな、と暇な日々を塗りつぶす予定を考える。


 今の季節は少し寒いので、上にパーカーを羽織る。

 中のシャツも黒。ズボンも黒。靴下も黒。

 全部が黒で、とても女には見えない。
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