最強少女は男装幹部
 こういう奴らは初めての犯罪だとか、ノリでやったとかで喧嘩を好まない。

 勿論、中には好戦的で愚かな馬鹿もいるが。

私が札束をヒョイっと奪うと、石化が解けた男たちが慌て出す。

 
 「そのっ、だ、誰にも言わないで!」

 ヒィっと小さな悲鳴を溢したヒョロガリ。

他の二人も萎縮しており、退学に怯えている。

 情けない姿に、思わず口角が上がってしまう。

自分よりも下の人間が居るという、醜い快感が心を満たす。


 しかしそんな中、怒気を孕んだ瞳で睨みつけてくる奴が一人いた。

少し離れた所に居る、ピアスばちばちの金髪ヘアー男。

どうも気性の荒そうな見た目の人だ。


 「お前、急にズケズケと入ってくんじゃねえ!」

 怒鳴りながら、金髪がこちらに突進してくる。

ドドドドと漫画の様な重い足音を響かせ、私の方へと走り込んで来た。

無防備で隙だらけの走り方に、思わず笑ってしまう。

 知識も無い癖に出しゃばんなよ。三下が。
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