最強少女は男装幹部

 そんなある日、母から頼まれたお使いを済ませ、帰路を歩いていた時。

重い買い物袋で両手が塞がり、肩も足も腕も、へとへとだった。

 そんな時、視界が公園のベンチを捉えた。

そうだ。あそこで一休みしよう。

 そう思い立ち、公園のベンチに腰を預ける。

一気に負担がなくなり、このまま立ち上がりたくなくなってしまった。


 あと五分。あと五分で歩き出そう。

そう思いながら、のんびりと公園を見渡す。

昔よりも遊具が減って、子供達の数は減っていた。

 誰もいない公園の中、独り孤独を噛みしめていると、うるさい連中が近づいてくる声がした。


 不良だろうか。大声で汚い笑い声を上げている。

公園に近づいてきているから、もうここを出よう。

 そう思い、腰を上げる、、、


 「あれ?もしかしてお前、カズキ?」

 一瞬で、体が動かなくなった。

冷や汗が背中を走り、心臓が早鐘を打ち始める。

悪魔の声だ。なんでここに。早く逃げなきゃ。
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