最強少女は男装幹部

とある幼い異質な人間

 カズキside

 僕は、とても幸せな家庭に生まれた。

母はアメリカ人で、父は日本人のハーフだ。

幼い頃はそれすらも特別に思えて、嬉しかった。


 父も母も俺を大切に可愛がってくれて、僕に愛を注いでくれた。

色素の薄い金髪も、彫りの深い顔も、僕の特徴として褒めてくれた。

 自分の容姿に誇りを持てた、黄金時代だ。


 しかし、小学生になれば一気に状況は変わる。

6歳まではアメリカに住んでいたので、小学一年生が初めての日本だった。

俺は英語も日本語も難なく話せたので、普通の小学校へと通う事になった。


 しかし、純粋でまだ自分が中心の世界の子どもたちは、『外国人』を知らない。

その年ではテレビも教育番組しか見たことがないだろうから、金髪なんて初めて見たのだろう。

 入学式は異質な目で見られ、その後の教室ではすぐに孤立した。

興味を持って話しかけて来る子はいたが、事情を説明しても理解してもらえない。

発音も少し違ったせいで、『なんで変な喋り方をするの?』と邪気のない瞳で問われることもあった。
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