最強少女は男装幹部
 〜遡る事二日前〜

 「他校の奴をぶっ潰したい」

 私がそう言うと、屋上内の空気が凍りついた。

昨日カズキを家に泊め、カズキには家に居るように言っておいた。

 だから、この屋上には私含め四人しかいない。


 隣にいたリンは、焦ったように聞いて来た。

 「アカネくん?え、なんで?今までそんな事言ってなかったじゃん」

 つい最近まで憔悴していたのに、急に冴えた様子の私に困惑しているようだ。

確かに、数週間前までは生気のない顔色をしていた。しかし、今はそれどころではない。

カズキが、仲間が危険なのだ。

 ジンも困惑しており、それが素の反応であるとわかる。

 「、、、アカネくんは、何がしたいの?」


 シズルが話を切り出してくれる。流石皆んなのまとめ役だ。話が早い。

 「このままじゃカズキが自殺する。その前に飯田 冬馬をぶっ潰す」

 自殺は少し盛ったが、ありえない話ではない。

彼は幼少期、自殺未遂をしたのだ。また同じ状況になる可能性は大いにある。

現に、カズキのメンタルはズタボロだ。

私の発言に皆が真剣な表情になったのを確認し、話を続ける。

 「カズキには伝えずに、俺たちだけで始末したい。」
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