最強少女は男装幹部
　と、いうのが二日前の話。

目の前に広がる校舎は、御察しの通り例の不良校だ。

　常識人は寄り付かない、不良の掃き溜め。

　今日の任務は、ここで暴れる事だ。

と言っても、最小限の暴力に抑えるが。


　ジンの合図に従い、皆で纏まって目的地に行く。

校舎の中に足を踏み入れると、一気に視線を集めた。

　その視線は、桜蘭高校の刺繍が施された制服に集まっているのだろう。


　良く思われていないのが、嫌なほど伝わってくる。

ある意味人気者だ。嫌われている様だが。

　堂々と廊下を歩き進めると、一人の生徒がこちらに寄ってきた。

　「おい、桜蘭の連中がなんの用、、、「黙れ」

　しかし、シズルに言葉を遮られてしまう。

　副総長による威圧的な一言で、周りのヤンキーすら一瞬で怯んでしまう。

今までに聞いたことのない、地を這う様な低い声だ。無理もない。


　「おい、飯田 冬馬は何処にいる？」

　近くにいた一人の腕を掴み、ヤツの居場所を聴きだす。

私も活躍しなくては。リンは戦えない代わりに、私が役に立ってやろう。

低い声で話し掛けると、そいつも怯んだ様だ。ここには弱い奴しかいないのか。

　「2-３だ、と思う。」

　「そ。あんがと」

　適当にお礼を告げ、廊下にある校内地図を見ながら2−3へ向かう。
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