最強少女は男装幹部
 こいつらの大学を聞き出して、チクってみても楽しそうだが。

 私に縋り付く人間も見てみたい、と想像力を掻き立てる。

いや、チクるのは面倒だ。辞めておこう。


 これからすることを考える。

この3人を使って、なにか面白いことをしたいなぁ。

、、、、あっ、そうだ。

 
 天才で馬鹿な私は、ある方法を閃く。

私が今日一番したかったことが、できるかもしれない。

こいつらはどうせ、断れないだろう。私の手のひらで転がってくれればそれで良い。


 「そうだ。チクんないからさ。俺の言うこと、一つだけ聞いてもらっても良い?」

 顔の前で両手を合わせて見せる。

おねが〜い。という風に見つめると、学生たちは首を縦に振ってくれた。

 なにか可愛い要求だと思ったのだろう。

甘い話だ。そんなわけないのに。

 取り敢えず、了承は得た。話が速くて助かる。

 「じゃあさ、今晩だけ、、、俺のサンドバックになってくれない?」


 私がそういった瞬間に、男たちの顔は青ざめる。

さっきまで安心していた癖に、急に態度を変える虫ケラども。

 逃げても追いかけはしないが、ブルブルと震える足では上手く逃げ出せないだろう。


 彼らは今、恐怖と選択に攻められているのだろう。

 留学を取るか、腕一本の無事を取るか。


 「もう拒否権はないよ?」

 ブルブルと首を横に振る男たち。

 優柔不断だなぁ。

 まあいいや。スッキリするまで殴り潰そう。

 
 その夜、藍色の空に痛々しい叫び声が響いたのは、言うまでもない。
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