最強少女は男装幹部
 「カズキなんて、どうせ役に立たな「煩い!黙れゲス野郎!」

 、、、え?

 自分の口が滑ったのかと思うが、今の発言は私のものじゃない。

聞きなれた、声の高い男の子のもの。

 まさかの事態に皆が固まり、灰色の少年を見る。

その視線の先には、目尻に涙を溜め、憤慨した様に拳を強く握る少年が居た。

そう。今叫んだのは、あの泣き虫リンだ。


 怯えて脚も小鹿の様に震えているというのに、なお飯田に噛み付くリン。

震えているけども、強い芯を感じる声で叫び続ける。

 「僕たちの仲間をこれ以上罵倒したら、ゆ、許さなへそ!」

 歯がガタガタと震え、最後の方は変な言葉になりながらも、思いっきり飯田を睨みつけるリン。

これが彼の成長だろうか。短期間でこれ程までになるとは。
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