最強少女は男装幹部
 こいつに怒りが湧いてくる。今すぐに殺しても良い。

こいつを殺しても、悔いは残らない。

カズキに、リンに、私の仲間に、触れるもんなら触ってみろ。

私がナイフを握る手に、力を入れてやる。

 生かすも殺すも私次第。それを弁えろ。

 「桜蘭高校に近づいたら、俺はお前に必ずコレを突き刺す。いいな?」

 「ひぁ!?は、はい!」

 誰にも聞こえない様に、彼の耳元に口を寄せ、低い声で淡々と告げる。

 怯えた様なその返事を聞けて、安心した。

どうやら私は殺人鬼にならずに済む様だ。

 ナイフをポケットに戻し、もう一度睨みつける。

次会ったら、生きて道を歩けると思うなよ。


 「用事はコレだけだ。ジン、撤退しよう」

 「え、いいのか、アカネ?もっと言ってやらなくても良いのか?」

 今の出来事を見ていなかったジンは、私の発言に疑問を抱いた様だ。

一番ムカついていた私が、こんなにアッサリ終わらせるのは不自然だもんな。

本当はナイフを突きつけたからスッキリしたのだが、それでもまだ物足りない。

 しかし、もう十分だ。だって、、、

 「俺が言いたい事は、リンが全部言ってくれたから」

 「、、、そうか。それじゃ、撤退だ。飯田 冬馬。お前が変な事をしたら、俺たちが動くからな」
< 222 / 230 >

この作品をシェア

pagetop