最強少女は男装幹部

とある非行少女の友達

 『百鬼夜行の総長が交代したらしい___』

 どこからともなく、その噂は広まりだした。


 明るいド深夜の中、秩序と理性を捨て去る午前2時。

相変わらず空は藍色で塗りつぶされている。

 いつもの様に地べたに座り、初めて会う不良と仲を深める。

ここでも男の振りを貫くのだから、男の下ネタの知識が増えていく一方だ。


 いつメンを含むおよそ8人で、円状に座る。

髪色はカラフルで、チャラい大学生が殆どだ。

 ストロング系の酒で「KP」と挨拶を交わす。

皆で座りながら酒を流し込むのが、いつもの景色だ。

未成年という事を忘れ、プルタブを開ける。


 私は酒を買うことができないので、代わりに友人に買ってきて貰っている。

アルコール度数が7%を超えるというが、もう感覚は麻痺している。

 いくら飲んでも酔わないので、調子が良い日は朝まで呑んだくれる。

レモンの風味が口の中で広がり、シュワシュワと弾けるのが心地よい。


 仕事はしなくて良い。一人暮らし。金はいくらでもある。

この三つの条件が揃うと、人は堕落していく。良い例が私だ。

 こうやって管理人がいないから、好き放題する。

そして秩序も規則も忘れ、自我を崩壊させるまで暴れ狂う。

ふわふわした気分の中、人間の危険性を脳内で説いた。
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