最強少女は男装幹部
「あ、そういえば。アレ知ってたか?」

 アクアがそう切り出し、新しい話題が浮上する。

思えば、いつも新しい話題の発端はアクアな気もする。


 「百鬼夜行の総長、、、交代したらしいぞ」

 、、、、ぽぇ?

 思わず、口がぽかんと空いてしまう。

 あの最強と言われた総長が降りたのか、、、、

一気に話題はそちらへ向き、先ほどの会話はなかった事になる。

まさかの衝撃ニュースに、私は興味津々だった。


 「なぁ、百鬼夜行って、、、なんだ?」

 見慣れない顔のやつが、話題に入ってくる。
 
 まあ、暴走族の名前なんて知ってる奴いないもんな。

せいぜいコイツらが知っているのは、可愛いインフルエンサーの名前だけだ。


 「ここらで強いって言われてる奴が頭の暴走族。」

 アクアが突然、百鬼夜行の説明を始めだした。

 彼は頭が足りないが、ちゃんと説明ができるのだろうか。


 「でも、所詮ガキの集まりだろ。俺でも財布ひったくれると思うんだけど」

 窃盗常連の奴が口を挟む。

コイツもここのいつメンで、オレンジ色の髪が派手派手しい。

 それにしてもよく捕まらないよな、こいつ。


 窃盗犯に感心していると、アクアは突然声をすぼめた。

無意識に耳を近づけ、しっかりと聞き取る姿勢に入る。

 「いや。それがバックにヤナギ組がいるって話らしいぞ」

 そう呟いたアクアは、深妙な表情をしている。

 その話で、一人の男が震え上がったのが見えた。
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