最強少女は男装幹部
 布団の上から降り、部屋の中を歩く。

 まだ意識が覚醒しておらず、足取りはおどおどしていた。


 備え付けの小さい冷蔵庫からアイスを取り出し、扉を閉める。

 取り出したのは一本100円以下の、よくあるアイスキャンディーだ。


 近くのクッションの上に座り、静かに食べ始める。

氷の粒が口の中で溶け、ひんやりした感覚のみ残る。

ソーダ味のシロップが、爽快感と甘さを両立させる。


 シャクシャクと食べ進めながら、意識は昨日の話に向かった。


 『百鬼夜行の総長が交代した』


 これは、私からしたら大ニュースだ。

 前々から、百鬼夜行のことは目障りだと思っていた。

自分たちも悪のくせに、一丁前に正義感を振りかざす。

その染まり切らない態度が、なんとなく癪に触っていた。


 悪なら悪らしく、真っ黒に染まれば良いものを。

 なぜまだ白であろうとするのか。

 、、、気に食わない。


 ジャリっと力強くアイスを噛むと、頭がキーンとした。
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