最強少女は男装幹部
 中も相変わらず荒れ果てていて、人類が怪物に襲われた世界線のようだ。

机は列を成していないし、踏み潰された教科書が床に散乱している。

半分以上の机がガラ空きになっており、相変わらず治安の悪さを匂わせていた。


 カラフルな頭が揃う中、適当に挨拶をする。

 「おはよう」

 社交辞令の挨拶を返してくれる人なんていない。

これでも百鬼夜行の幹部というのだから、笑える。

 ジンが来たら、焦りながら頭を下げるくせに。

 自分が不人気な事を改めて自覚するのは、胸が痛い。

 はぁ、と溜息を一つ吐いてから、のろのろと歩き出す。


 さっきまでは澄み切っていた心が、鉛のように憂鬱を重ねていた。

 窓側の一番後ろという、特等席に向かう、、、

 「あれ、、、?」

 近くに来てみると、不自然に席が一つ増えていた事に気がつく。

僕の後ろに、机が一つ追加されている。

 そこまで考え、転校生が来るのだと察しがついた。
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