最強幹部のアカネくん、実は女の子
 孤独と後悔が胸を埋め尽くしている中、扉がガラガラと開かれた。

 扉の先に目を向ければ、お馴染みの古橋先生が立っていた。


 古橋先生は20代半ばの高校教師。

我が2-Bの担任であり、数学の教師でもある。

 好青年で爽やかな容姿と雰囲気は、常に女子生徒を虜にしている。

とても紳士的であり、若者を理解してくれる先生。

 少し生徒から舐められているが、良く言えばフレンドリーで好かれているということだ。


 そんな人気若手教師を目で追いながら、さっきのことを考える。

 僕が古橋先生のような人だったのなら、皆んなは挨拶を返してくれていたのだろうか。

少しだけ、キラキラと輝く古橋先生が羨ましくなった。

 僕ももう少し、人との距離感を縮めたいなぁ。
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