最強少女は男装幹部
 僕が物思いに耽っていると、HRが始まった。

 「えーと、おはよう。今日は早速ニュースがある」

 古橋先生が、クリップボードに挟まれた紙をペラペラとめくる。

 先生のニュースという単語に、複数の生徒が反応した。

 「え、なに。センセーに彼女できたとか?」

 「だったらウケるわ。センセーどうなのー?」

 男子生徒2名が大声を上げると、古橋先生は冷静に回答を出した。

 「先生は彼女いません。欲しいです。で、ニュースってのはお馴染み転校生だ。入ってこーい」

 古橋先生が個人的事情を話したかと思うと、転校生を呼び出す。

 
 やっぱり居るんだ。転校生。

予想が的中したことに、少しだけ心が浮かれる。

 もしかしたら友達になるチャンスかも、と淡い期待を抱く。

因みに、今までその淡い期待が叶ったことはない。

 喜びが顔に出ないように、筋肉に力を入れる。

これでも一応、暴走族の幹部なんだ。

ヘニャヘニャしていたら、格好がつかないじゃないか。
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