最強少女は男装幹部〜最強幹部たちからの溺愛〜
義母も私を嫌っているはずだから、まさか来るとは思っていなかった。
口をポカンと開け、立ち尽くす。
唐突な出来事に戸惑う私を横目に、義母は部屋の中に入って来た。
「えっ、ちょ、なんでこんな突然?」
咄嗟に質問が口を出る。
戸惑いを隠せないでいると、義母はこちらを睨みつけた。
その睨みに、蛇に睨まれたカエルのようになる私。
どんな不良も、この人の纏う空気には敵わない。
上品さは、彼女の最大の武器だった。
「私だって本当は嫌。でも誠司さんに頼まれたんだもの。来ない訳にはいかないでしょう?」
皺が増えたその女は、まさしく私の義母だった。
一ミリも変わっていないその様子に、少しだけ安心する。
実父に何故か以上なほどの執着を持っている、この女。
私のことはいつまで経っても好きになれないらしい。
おあいこ様、という事だろうか。