最強少女は男装幹部
 永遠に時が止まったのではないかと、心配になる。

 しかし、いつの間にか彼は教卓の横に着いていた。

 
 「じゃあ自己紹介を」

 古橋先生の指示通り、転校生は形の良い口を開け、言葉を放った。

 「櫻井 茜(さくらい あかね)です。よろしく」

 
 低い声で淀みなく、淡々と言葉を奏でるアカネ。

 男にしては高いけど、女にしては低い声。

調和が生み出す音色は、心地の良い音楽の様だ。


 アカネよりも、夜の藍色の方が似合う気もする。

しかし、アカネという名前も、中々に彼とマッチしていた。


 彼に目を離せないでいると、目がバッチリあってしまう。

慌てて視線をバッと背けると、ようやく魔法から解けた気がした。

ずっと、僕は彼の魔力に引き寄せられていた。

 しかし、目線を外すことで魔力の効果は薄れたのだ。


 とんでもない奴が来てしまった。


 なんだ、友達になりたいとは。

彼と僕の住む世界は違う。

多分、一生関われない、、、


 淡い期待は、予想外の方向で壊れたのだった。
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