最強少女は男装幹部
 ところで、今日は初登校日だ。

姿見の前で、違和感がないかを確認する。

 少し緩いスラックスを通した脚。

苦しいし上手く結べないしで外したネクタイ。

上に重ねた黒いパーカー。

一つだけつけたリングピアス。


 改めて見てみると、何処からどう見ても不良少年だ。

 寝癖をちょいちょいと整え、もう一回確認する。

 よし、大丈夫そうだ。

満足のいく自分になり、得意げな気分になる。


 少し楽しみにしている自分がいる。

その事実を素直に受け止めたくないので、自分に知らんぷりをする。

私は楽しむために学校に行くのでは無く、計画を実行する為に行くのだ。

 自分自身に言い聞かせながら、スクバを肩にかける。

スマホも財布もペンケースも持った。

定期券もあるし、いざという時の小型ナイフもパーカーに入っている。

これがあれば、何があっても大丈夫だろう。
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