最強少女は男装幹部〜最強幹部たちからの溺愛〜
悪態をつく赤い唇は、嫌なほど似合っている。
老けた顔は綺麗に保っており、高そうな服を着ている。
片手に華奢なカバンと大きな袋を抱え、こちらを今だに睨みつけていた。
こんなのを母とは呼べないが、一応義母ではある。
本当の母親は、私をいじめ倒した後に自殺した。
まだ小学生の頃。
私はずっと母に虐待を受けていた。
残飯しか提供されず、私のことはゴミ扱い。
トイレに閉じ込められたり、無理やりゴミを食べさせられたこともあった。
何度吐いても、やめてと懇願しても、あの悪魔はやめてはくれない。
そのくせ取っ替え引っ替え男を招いていた、最低野郎だ。
私は愚かなことに、そんな母のことも愛していた。
きっといつか愛してくれる日が来る。
抱きしめて、夕飯を作ってきてくれる日が。
そう純粋に信じていた、無垢な少女だった。