最強少女は男装幹部
 「あっ、そうだリンくん。」

 さりげなく、何て事のない話のように話題をすり替える。

ここで何か大きい収穫が取れたら良いのだが。


 「百鬼夜行って、知ってる?俺憧れてんだー」

 ファンの一人、という設定を偽り、情報を聞き出そうとする。

まだリンが百鬼夜行の人間ではないと断定できないし、念の為。

このクラスにも百鬼夜行の人がいるかもだし。

 保険を掛けながら、慎重に調査を執り行おうとする。


 すると、今まで目を合わせてくれていたリンが、またもや視線を彷徨わせた。

 「あ〜。百鬼夜行ねぇ、、、知ってるよ、一応、、、」

 キョロキョロと視線を彷徨わせ、手を膝の上でチビチビとせわしなく動かしだす彼。

もしかしたら、いじめられでもしているのだろうか?

それとも、このクラスの誰かに聞かれたくないとか?


 教室を一瞥してみるが、こちらに興味を向けている人はいなかった。

皆がそれぞれのことに注力し、中には爆音で音楽を流している者もいる。

周りの人間に話し声が聞こえるような環境ではない。
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