最強少女は男装幹部
 ちらっと金髪と、紺色髪を一瞥する。

紺髪は私を睨みつけ、探るような視線を向けている。

私が危険人物かどうか、判断しているのだろう。

金髪は興味をなくしたように、手元のスマホに視線を向けていた。


 嘘は見破れるぞ、というような瞳を向けてくる紺色。

私の心が見透かされていそうで、気分が悪くなる。

金髪も金髪で、どことなく敵視しているような空気感を纏っている。

この二人は、一筋縄では行かなさそうだ。


 高速で頭を回し、最善の回答を見出す。

猫を被った方が良いだろうが、この二人には見破られそうだ。

こんな序盤に失敗しては、宴も始まらない。

このステージでは、慎重に動いた方が良いだろう。


 そこまで思考を巡らせた後、最善の答えを導いた。

 ここは、思い切ってしまおう。

チマチマやって不審感を増されても困まるし。

ここはバッと切り出し、パッパと計画を終わらせたほうがいいだろう。

これでも計画的で、慎重な方だ。


 「総長って誰?」

 行動を起こしたいが、誰が誰だかわからないので、赤茶に質問をする。

 私の横柄な態度に、少し眉を顰める赤茶。


 まあ、確かに会って早々ズケズケと踏み込まれたら不快だよな。

だが、そんなことは言ってられない。


 「あそこのジンって奴だけど、、、」

 人差し指を紺色髪に向け、困惑した様に言う赤茶。

親切なものだ。私なら嘘を教えてからかっている。

小さくありがとうと礼を言い、紺色髪、、、ジンに足を向ける。


 ジンの目の前で足を止め、座り込む彼を見落とす。

 「お前が総長か」
 
 「そうだが、、、なんだ?」
< 66 / 230 >

この作品をシェア

pagetop