最強少女は男装幹部
 じっと見つめ続けて、早10秒。

 ジンは降参という様に溜息を吐き、命令を下す。


 「カズキと殴り合え。負けたら幹部にはなれない。ただ、下っ端には入れてやる。」

 目線を金髪に移し、説明をするジン。

 カズキという名前の金髪野郎は、どうやら気に食わないらしい。

露骨に嫌悪感を見せびらかし、不満を漏らす。


 「そんなヒョロっちい奴と殺り合うわけ?舐められたもんだわー」

 弄っていたスマホから顔を上げ、鋭く私を睨みつけてくる。

ジンを睨めよ、と思うが、口喧嘩は嫌なので言わないでおく。


 「舐めてない。ただ、この茜っつう奴も舐めない方がいい」

 なんてこともない様に言うジンは、私が強いと思っている様だ。

そんなに安易に人を評価しても良いのか?

これで私がぼろ負けしたら、お前も恥をさらすことになるが。


 その意見に納得のいかない様子のカズキは、額に青筋を浮かべる。


 「ふーん。やってやろうじゃないの。なあアカネくん?」

ワザとらしく私に聞き、挑発してくるカズキ。

 コイツ、子供っぽいなぁ、という悪印象しか抱かない言動だ。

今度からは控えてもらいたい。
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