最強少女は男装幹部
 お互いに距離を取り、ジンによる合図を待つ。

ルールは簡単で、ボコボコにした方が勝ち。

危ないと判断したら、ジンと赤茶が止めにかかるシステムだ。


 一通りの準備体操を済ませ、位置につく。

絶対に負ける気はしないが、甘く見ている可能性もある。

自分の力を過信していたとか、一番ダサい末路だ。

一応、本気で行こう。


 「じゃ始めるぞー。さんにーいちどんっ」

 とてつもなくやる気のない合図とともに、カズキがこちらに突進してくる。

思った以上に足が速いようで、距離を一気に縮めてくる。

 アニメとかなら、シュンシュンッと音がなっていそうだ。

力強く、軽やかで飛ぶ様な足取りは、チーターを連想させた。

 気がつけば、目と鼻の先にカズキが近づいている。
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