最強幹部のアカネくん、実は女の子
とある神と鈴の信者

とある神と盲信者

 アカネside


 なんだか、あんまり楽しくないなぁ。

 殴りかかってくる敵の首付近を蹴りながら、投げやりな言葉を心の中で吐く。

ドサっという重い音が響き、立っているのはとうとう私一人になっていた。


 周りを見渡してみると、何十人もの不良が地面に倒れ込んでいた。

情けないな〜と憐れみながら、近くにいたやつをつま先で強く蹴る。

 私よりもガタイがいい癖に、負けてるとかダサっ。

だんだん見ていると嫌悪感が溜まってくる、気色の悪いあほズラ。

ぺっと唾を倒れている奴に向けて吐き、近くの白いベンチに腰を下ろした。


 すると、疲労感が一気に押し寄せてくる。

お腹もすいたし、強く殴りすぎて手も痛い。

楽しくもない、何にもない。

 退屈な日々だなぁ、、、


 今は公園の隅で、ヤンキー集団と殴り合いを堪能していたところだ。

しかし、そんな楽しさも徐々に薄れてくるもの。

ここ2ヶ月は他校の連中と争い合い、連勝を記録していた。

 
 しかし、どれ程強くても所詮は高校生。

私の満足感を満たすようなスリルは味わわせてくれない。

 危険と隣り合わせだからこそ楽しいのに、勝つと決まっていては危険の欠片もない。
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