最強少女は男装幹部
 憧れるべき存在で、とても尊い人。

 僕に声をかけてくれた時から、そうだった。

あの朝日の差す窓辺で、揺れるカーテンの中で。


 僕は君を、信じようと思ったんだ。


 陽光が顔を照らす中、君は僕を拾ってくれた。

夢の中に閉じこもっていた僕を、連れ出してくれた。

 起きていても良いよ、辛くないよ、と囁いてくれた。


 神様なのではないかと、何回も思った。

 君は僕の中で、ずっとずっと、陰る事なく輝き続けているのだ。


 だから、そんな君が人を傷つける訳がない。

きっと誤解があって、尾ひれのついた噂が流れてしまったんだ。

 そうだ。きっとそう。


 君が僕を時折面倒臭そうな顔で見るのも、君の顔がほんの少し陰るのも、あからさまに避けてくることも。

全部、誤解だった筈だ。

 彼が僕を遠ざけているのではなく、僕が彼を遠ざけているのだ。

そうに違いない。僕が彼を避けているのだ。彼は僕を嫌ってなどいない。


 なあ、そうだろう?アカネくん。
 
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