最強少女は男装幹部
 なのに彼は、何を言っている?

 自分は未成年ながらも酒を飲み、タバコを吸う人間だとでも?

何の罪もない人間を殴るような人間だと?

裏社会と繋がっている、悪党だとも?


 そんなの、解釈違いだ。

 僕はそんな真実など、求めていない。

綺麗で素晴らしい上っ面だけが欲しいのだ。


 「君は、、、そんなこと、しないだろう、、、?」

 たった最後の、頼みの綱だった。

僕を失望させないでくれ。やっと巡り会えたと思ったのに。

眠りから救い出してくれる人に、神様に。

 お願いだ。『しない』の一言でいいんだ。

 
 本当に、、、それだけでっ、、、


 「する。普通にする。まず、何で俺にそんなこと求めてんだよ」

 
 世界は、残酷なのかもしれない。

彼の言葉が胸に突き刺さる。

その言葉はごもっともなのだから、尚更に。


 涙が出そうだ。

 朝日の中、僕を連れ出してくれた神様が、邪神だったなんて。

 崇拝していたモノが、悪者だった。
< 90 / 230 >

この作品をシェア

pagetop