最強少女は男装幹部
 眠ってごまかして、知らないふりをする。

アカネくんが屋上に来た時も、眠ったふりをした。

端っこで丸まって、アカネくんから話しかけてくれるのを、勝手に期待していた。

 頭の中では、僕がアカネくんを避けていることにした。

 全てに、背を向けてしまいたかった。


 それが、僕の本音だ。

 ずっと見て見ぬ振りをしていた、僕の正体。


 アカネくんに、止まったままの時を動かしてもらったような気がした。

幼い、未だに泣き続けている僕を、救い出してくれた。

 薄汚れた汚い世界で、たった一人輝いていた。

 止まった時の中、僕を連れ出してくれた。


 そんな感情さえも、僕の妄想だったのかもしれない。

他愛のない話を美化して、まだ出会って数ヶ月の少年を祀っていた。

 自分に都合の良いように解釈し、理想を押し付けた。

承認欲求が強くて、アカネくんに縋ろうとしていた。

なんとも愚かで、醜い。

 それでも尚助けを求めているのだから、一層たちが悪い。


 ただ、本当は、、、


 「アカネくんに、好きでいてもらいたかったんだ。」
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