最強幹部のアカネくん、実は女の子
 思い出せば思い出すほど鬱憤が溜まっていき、本心を吐き出してしまう。 

 「というか、何?神様って。勝手に押し付けがましい偏見与えないでくれる?普通にキモい。」

 私がそう言った瞬間、驚いたように彼は顔を上げる。

その顔はグシャグシャで、とてもではないが可愛いとは思えなかった。

そして、とてもイラつく顔だ。堪忍袋の緒が切れてしまう。


 そして、私は思わず被った人面を剥いでしまったのだ。

 
 「勝手に妄想して絶望してで忙しいね。ばっかじゃないの?私は私。神でもない、同じ気持ち悪い人間様。生皮剥いだら皆汚いもんなの。というか、なに上っ面を信じちゃってんの?社交辞令ってやつだよ、社交辞令。そんなにリンが愚かな奴だなんて思いもしなかった。」

 怒りは喋れば喋るほどヒーットアップし、自分が男という設定なことも忘れ去ってしまう。

私も所詮は暴れまわっているガキだ。冷静さも、沈着さの欠片もない。

 留年しそうな大学生を懲らしめるくらいしか楽しみのない、反吐がでるような最低人間。

それを勝手に美化して、褒められても嬉しくも何ともない。

 本当に、気持ち悪い。
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