最強幹部のアカネくん、実は女の子
 はあ、と重苦しいため息を吐き、顔を上げた時にはもう遅かった。

 リンは泣き止むのをやめ、目を限界まで見開いていた。

体は石のように固まり、こちらを恐る恐るという様子で見つめている。


 「えっ、ア、アカネくん、、、?どうしたの?えっ、私って、、、へっ?」

 言葉にならない、ヘンテコな声を喉から出すリン。

 やっちまったと、脳がすぐさま理解した。


 リンに猫をかぶっていたことがバレてしまった。

しかも、ご丁寧に一人称まで聞き取られてしまっている。

 
 もう、後戻りはできない。
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