追放された聖女を待ち受けていたのは、エリート魔法師団長様との甘やかな実験の日々でした
19. 事態の収束
「では、総力戦でスタンピートを一気に終息させる」
「おう! ちゃっちゃと終らせてやろうぜ!」
その後、レイビス様は騎士団長様と共に魔物との戦いの場に駆け出して行った。
それぞれ部下である魔法師団の団員と、騎士団の団員に指示を飛ばしている。
疲弊ぎみだった団員達は、頼りになる団長の戦線復帰に息を吹き返す。修練を積んだと思われる連携で、次々に魔物を屠り始めた。
一部の魔法師団員は、作戦なのか瞬間移動魔法でその場を離れると、しばらくしてさらなる増員を引き連れてくる。どうやら領民の避難誘導を終えたフィアストン領の騎士達のようだ。
「すごい……なんだか戦況が瞬く間に変わりましたね」
「魔物ごときにやられっぱなしというわけにはいきませんからね。きっと団長の宣言通り、一気に収束するはずですよ」
私の台詞に相槌を返してくれるのはサウロ様だ。レイビス様はわたしの護衛として彼をこの場に残していってくれた。サウロ様は瞬間移動魔法の使い手なので、いざという時に逃げられるからだ。
では、護衛を付けてまでなぜわたしが戦場に残っているのか。それにはもちろん理由がある。
「ティナさん、さっそくですがお願いします!」
「はい! お任せください!」
声を掛けられてわたしは力強く頷く。
目の前に運び込まれてきたのは、足を怪我した騎士様だ。
そう、わたしはこの場で治癒の役目を与えられたのだ。簡易的な処置室として、魔法師様や騎士様を治癒魔法で癒すこととなっている。
わたし達国民の安寧のために体を張って戦ってくれている皆さんの力になれるなんて本望だ。
奇跡のチカラを取り戻した今のわたしだからこそできることだと使命感に駆られる。
「患部をこちらへ向けてください。はい、そうです。今から光が溢れますが、お体に害はないのでご安心ください。では始めます」
わたしはぱっくりと傷口が開いた患部へ手をかざした。そしてこの傷を治したいと心の中で念じる。
すると手から柔らかな虹色の光が飛び出し、怪我はみるみるうちに癒えていった。
「おう! ちゃっちゃと終らせてやろうぜ!」
その後、レイビス様は騎士団長様と共に魔物との戦いの場に駆け出して行った。
それぞれ部下である魔法師団の団員と、騎士団の団員に指示を飛ばしている。
疲弊ぎみだった団員達は、頼りになる団長の戦線復帰に息を吹き返す。修練を積んだと思われる連携で、次々に魔物を屠り始めた。
一部の魔法師団員は、作戦なのか瞬間移動魔法でその場を離れると、しばらくしてさらなる増員を引き連れてくる。どうやら領民の避難誘導を終えたフィアストン領の騎士達のようだ。
「すごい……なんだか戦況が瞬く間に変わりましたね」
「魔物ごときにやられっぱなしというわけにはいきませんからね。きっと団長の宣言通り、一気に収束するはずですよ」
私の台詞に相槌を返してくれるのはサウロ様だ。レイビス様はわたしの護衛として彼をこの場に残していってくれた。サウロ様は瞬間移動魔法の使い手なので、いざという時に逃げられるからだ。
では、護衛を付けてまでなぜわたしが戦場に残っているのか。それにはもちろん理由がある。
「ティナさん、さっそくですがお願いします!」
「はい! お任せください!」
声を掛けられてわたしは力強く頷く。
目の前に運び込まれてきたのは、足を怪我した騎士様だ。
そう、わたしはこの場で治癒の役目を与えられたのだ。簡易的な処置室として、魔法師様や騎士様を治癒魔法で癒すこととなっている。
わたし達国民の安寧のために体を張って戦ってくれている皆さんの力になれるなんて本望だ。
奇跡のチカラを取り戻した今のわたしだからこそできることだと使命感に駆られる。
「患部をこちらへ向けてください。はい、そうです。今から光が溢れますが、お体に害はないのでご安心ください。では始めます」
わたしはぱっくりと傷口が開いた患部へ手をかざした。そしてこの傷を治したいと心の中で念じる。
すると手から柔らかな虹色の光が飛び出し、怪我はみるみるうちに癒えていった。