追放された聖女を待ち受けていたのは、エリート魔法師団長様との甘やかな実験の日々でした
レイビス様からの声掛けにハッとしたわたしは、慌てて表情を取り繕い、力強く頷く。
周囲の邪魔にだけはならないよう、導線を妨げない位置に移動して後方に控えた。
「よし、いこう!」
レイビス様の一言を合図に、騎士団長様が玄関の扉を蹴り飛ばす。
こじ開けられた入口から、二人は中へ踏み込んだ。その後ろにわたしも続く。
「な、なにごとですか⁉︎ ま、魔法師団長様と騎士団長様……⁉︎」
大きな音に驚いて玄関に駆けつけてきた執事が、入って来た人物を目にして腰を抜かしそうになる。
あわあわと取り乱す執事にネイビア侯爵の居場所を尋ね、二人は二階にある私室に走り出した。
途中、出くわす使用人にはレイビス様が一旦拘束魔法で身動きを封じていく。おそらくいちいち事情を説明をしている暇がないからだろう。
ほどなくして到着したネイビア侯爵の私室の前で二人が視線で語り合う。レイビス様は探知魔法で確実にここに目的の人物がいる気配を感じ取っているようで、それを告げていた。
頷き合い頃合を図ったのち、再び騎士団長様が扉を豪快に蹴破って、中への入口をこじ開ける。
「な、なんだ⁉︎」
中からは仰天したような中年男性の低い声が聞こえてきた。どうやら来客中だったようで、相手と熱心に話していたのか、玄関での物音に気づいていなかったようだ。
二人の後に続いて私室に入ったわたしは、中を見渡す。そこにはほっそりとした体つきの三白眼の中年男性と、もう一人来客である同年代の男性が佇んでいた。
三白眼の方がネイビア侯爵だろう。だが、わたしは一緒にいた男性の方に思わず目を奪われた。よく知る人だったからだ。
……な、なんでここに……?
周囲の邪魔にだけはならないよう、導線を妨げない位置に移動して後方に控えた。
「よし、いこう!」
レイビス様の一言を合図に、騎士団長様が玄関の扉を蹴り飛ばす。
こじ開けられた入口から、二人は中へ踏み込んだ。その後ろにわたしも続く。
「な、なにごとですか⁉︎ ま、魔法師団長様と騎士団長様……⁉︎」
大きな音に驚いて玄関に駆けつけてきた執事が、入って来た人物を目にして腰を抜かしそうになる。
あわあわと取り乱す執事にネイビア侯爵の居場所を尋ね、二人は二階にある私室に走り出した。
途中、出くわす使用人にはレイビス様が一旦拘束魔法で身動きを封じていく。おそらくいちいち事情を説明をしている暇がないからだろう。
ほどなくして到着したネイビア侯爵の私室の前で二人が視線で語り合う。レイビス様は探知魔法で確実にここに目的の人物がいる気配を感じ取っているようで、それを告げていた。
頷き合い頃合を図ったのち、再び騎士団長様が扉を豪快に蹴破って、中への入口をこじ開ける。
「な、なんだ⁉︎」
中からは仰天したような中年男性の低い声が聞こえてきた。どうやら来客中だったようで、相手と熱心に話していたのか、玄関での物音に気づいていなかったようだ。
二人の後に続いて私室に入ったわたしは、中を見渡す。そこにはほっそりとした体つきの三白眼の中年男性と、もう一人来客である同年代の男性が佇んでいた。
三白眼の方がネイビア侯爵だろう。だが、わたしは一緒にいた男性の方に思わず目を奪われた。よく知る人だったからだ。
……な、なんでここに……?