追放された聖女を待ち受けていたのは、エリート魔法師団長様との甘やかな実験の日々でした
「やはり早く関係を新しいものへ変えてしまおう。……それで話を戻すが」
軽く咳払いをしたレイビス様は、少し体を離すとわたしの顔を見ながら続きを話し始めた。
「当初私は『恋人関係』が相応しいと思っていた。だが、一連の騒動を終えた今、考えが変わった」
「どう変わったのですか……?」
サウロ様に恋人と勘違いされた時から、密かに『恋人関係』になれるかもと淡い期待を抱いていたわたしは軽くショックを受ける。
やはり身分差もあり、『恋人関係』は現実的ではないのだろうか。
「そこで冒頭の話に戻る。『恋人関係』ではなく、『夫婦関係』の方がよいと思ったのだ。興味深い仮説もあり、ぜひとも研究してみたい。『夫婦関係』なら子を作れるだろう?」
……ふ、夫婦関係⁉︎
いきなり恋人から夫婦に飛躍したことに驚きを隠せないが、研究の話を付け加えられるとなんだか納得してしまった。
「念のため補足しておくが、もちろん仮説を検証するために結婚したいわけではない。私はなによりもティナという女性を生涯研究したい。だから結婚したいと思っている。言わば、仮説検証は結婚のおまけだな」
研究熱心な天才魔法師団長様は、生涯をかけてわたしという人間を研究したいという。
レイビス様らしい言葉と、きっとレイビス様にとっては最上級に値する求婚に、胸が熱くなった。
……こんな素敵な男性に一生涯を捧げられ、わたしは彼になにを返せるだろう?
立場柄、危険も多い彼だから、いつも傍にいてわたしの持つチカラで癒してあげること。
研究欲が尽きない彼だから、興味がある仮説検証に協力し、実験に付き合うこと。
そして、与えられる気持ち以上に、何十倍、何百倍もの愛を贈り続けること。
きっとこれらならできるだろう。
「……それで私の提案に対するティナの返答は?」
軽く咳払いをしたレイビス様は、少し体を離すとわたしの顔を見ながら続きを話し始めた。
「当初私は『恋人関係』が相応しいと思っていた。だが、一連の騒動を終えた今、考えが変わった」
「どう変わったのですか……?」
サウロ様に恋人と勘違いされた時から、密かに『恋人関係』になれるかもと淡い期待を抱いていたわたしは軽くショックを受ける。
やはり身分差もあり、『恋人関係』は現実的ではないのだろうか。
「そこで冒頭の話に戻る。『恋人関係』ではなく、『夫婦関係』の方がよいと思ったのだ。興味深い仮説もあり、ぜひとも研究してみたい。『夫婦関係』なら子を作れるだろう?」
……ふ、夫婦関係⁉︎
いきなり恋人から夫婦に飛躍したことに驚きを隠せないが、研究の話を付け加えられるとなんだか納得してしまった。
「念のため補足しておくが、もちろん仮説を検証するために結婚したいわけではない。私はなによりもティナという女性を生涯研究したい。だから結婚したいと思っている。言わば、仮説検証は結婚のおまけだな」
研究熱心な天才魔法師団長様は、生涯をかけてわたしという人間を研究したいという。
レイビス様らしい言葉と、きっとレイビス様にとっては最上級に値する求婚に、胸が熱くなった。
……こんな素敵な男性に一生涯を捧げられ、わたしは彼になにを返せるだろう?
立場柄、危険も多い彼だから、いつも傍にいてわたしの持つチカラで癒してあげること。
研究欲が尽きない彼だから、興味がある仮説検証に協力し、実験に付き合うこと。
そして、与えられる気持ち以上に、何十倍、何百倍もの愛を贈り続けること。
きっとこれらならできるだろう。
「……それで私の提案に対するティナの返答は?」