恋は揺らめぎの間に
背後からぐぐぐと体重がかけられてくる。長年…というか、今も野球をしているだけあって、慎司の身体はがっちりと逞しく、私をすっぽり包みこむ。
どんどん、逃げ場を失っていく。
「プレゼントは、もう貰ったから、いい。」
「え? あ、あげてないよ!」
「一緒に、住んでくれた。」
「それはプレゼントにならないと思う!」
「じゃあ」と慎司君の顔が迫る。
「キス、していい?」
「@⚫️✕@〇▲✕!!?」
言葉にならない声が出てくる。
いきなりどうした。 何故こうなった。 じゃあ、って、何がじゃあ!? これまでこんなことはなかったのに…!
「待っ… 待ってケロ!!」
咄嗟に手のひらで、慎司君の顔を思いっきりぐいっと押し返した。とんでもなく情けない声とともに。