恋は揺らめぎの間に
イルミネーションが灯り始めると、街の賑やかさが一層増した。店からは競い合うようにクリスマスソングが流れ出て、あちこちでサンタのコスプレをした店員さんが客引きをしている。私も先程まではあちら側だった。けれど、今は違う。
クリスマスに夏木君を待っているなんて、なんだか変な感じだ。
去年は大学受験が目前に迫っていて、そんな暇はなかった。3年生になって、委員会活動もなくなって、一気に接点が減ってしまって、話すことも減っていた。授業の合間にたまに夏木君を見かけるだけになってしまって、夏木君タイムと称して元気をチャージしていたのがつい昨日のことのように思う。
今日会うことに、何か意味はあるのだろうか…。
うーんと目を瞑って考える。思い浮かぶ夏木君の爽やかな笑顔からは、深い意味を想像することはできない。
きっと、ただ単純にこの間の埋め合わせだよね。
「花江さんっ! ごめん! 待たせたよね!?」
人混みの向こうから、夏木君が現れた。約束の時間前だから大丈夫だと返そうとして、固まる。
「夏木君…なんか今日、王子様みたい…!」
思わず漏れる、心の声。
「え!? へ、変かな?」
「ううん! かっこいい! 似合ってるよ!」
「そう言ってもらえると、頑張った甲斐があったよ。」
夏木君は照れくさそうに笑う。普段もモデルさんのような綺麗めな装いだが、どことなくカジュアルだった。そのカジュアルさが抜けるだけで、一気に王子様感が増すなんて。
すれ違う女の人が、チラチラと夏木君を振り返って見る気持ちがわかる。私だってもったいなさすぎて、つい拝んでしまう程なのだから。
「そういう花江さんはさ、今日も可愛いよね。」
「へ?」
「行こうか。 すぐそこのお店、予約してるんだ。」
可愛い!? 私が!? 今日も!?
あまりにナチュラルに言うから、一瞬反応に遅れる。
夏木君って、そういうことを言う人だったっけ!?
高校時代の夏木君を思い出そうとするも、上手く頭が回らない。しかし、そういうことを普段から言っていそうな気はした。なぜなら夏木君の周りにはいつも男女問わず人が沢山いて、彼のことを悪くいうような人はいなかったから。夏木君は天然人タラシだと有名だったから。
クリスマスに夏木君を待っているなんて、なんだか変な感じだ。
去年は大学受験が目前に迫っていて、そんな暇はなかった。3年生になって、委員会活動もなくなって、一気に接点が減ってしまって、話すことも減っていた。授業の合間にたまに夏木君を見かけるだけになってしまって、夏木君タイムと称して元気をチャージしていたのがつい昨日のことのように思う。
今日会うことに、何か意味はあるのだろうか…。
うーんと目を瞑って考える。思い浮かぶ夏木君の爽やかな笑顔からは、深い意味を想像することはできない。
きっと、ただ単純にこの間の埋め合わせだよね。
「花江さんっ! ごめん! 待たせたよね!?」
人混みの向こうから、夏木君が現れた。約束の時間前だから大丈夫だと返そうとして、固まる。
「夏木君…なんか今日、王子様みたい…!」
思わず漏れる、心の声。
「え!? へ、変かな?」
「ううん! かっこいい! 似合ってるよ!」
「そう言ってもらえると、頑張った甲斐があったよ。」
夏木君は照れくさそうに笑う。普段もモデルさんのような綺麗めな装いだが、どことなくカジュアルだった。そのカジュアルさが抜けるだけで、一気に王子様感が増すなんて。
すれ違う女の人が、チラチラと夏木君を振り返って見る気持ちがわかる。私だってもったいなさすぎて、つい拝んでしまう程なのだから。
「そういう花江さんはさ、今日も可愛いよね。」
「へ?」
「行こうか。 すぐそこのお店、予約してるんだ。」
可愛い!? 私が!? 今日も!?
あまりにナチュラルに言うから、一瞬反応に遅れる。
夏木君って、そういうことを言う人だったっけ!?
高校時代の夏木君を思い出そうとするも、上手く頭が回らない。しかし、そういうことを普段から言っていそうな気はした。なぜなら夏木君の周りにはいつも男女問わず人が沢山いて、彼のことを悪くいうような人はいなかったから。夏木君は天然人タラシだと有名だったから。