恋は揺らめぎの間に
………知られてしまった。
深い深い溜め息が、何度も何度も漏れる。
別に隠しておくつもりはなかった。でも、言えていなかったのも事実。慎司君にも慶人君にも、呆れられられただろうか。幻滅されたかだろうか。一体何と思われただろうか。
鬱々とした気分はお風呂に入ってもとれなかった。こんな気持ちのまま眠れるはずがかなく、慎司君の帰りを持つ。
ちゃんと話さないと。
でも、何を?どこから?
悩んでいると、静かにドアが開く音がした。
「おかえりなさい…。」
慎司君は目を見開く。
「ごめんね。 寝ててって言われたけど、待ってたの。 話がしたくて。 とりあえず、お風呂行ってきて? お湯、貯めてあるから。」
慎司君はぎこちない動きで、お風呂場へと消えた。