とある年の差カップルのほのぼのな日常
早く結婚したい
春。
同棲を始めて、二年目に入ったばかりの二人。

セキュリティ抜群のマンションに住んでいる、我成と梅乃。
我成がセキュリティ会社に勤務しているのもあり、防犯は徹底している。

そして家の中でも鍵付きの部屋があり、そこは我成の仕事部屋である。

朝、スマホのアラームが鳴り、梅乃が目を覚ました。

「ん…起きなきゃ…」

そう呟いて、我成の腕の中から出ようと、ゆっくり我成の腕を外す。

これがまた一苦労だ。

がっちり抱き締められていて、力もある。
ぐっすり熟睡しているのに、物凄い力なのだ。

「………我成…ごめんね…」

我成に断り、ベッドを下りた。


リビングへ行き、ソファに座る。
リモコンをカーテンに向け操作すると、リビングのカーテンが同時に開いた。

朝日が入ってくる。
10分程ぼーっとして、今日も頑張ろうと気合を入れる。

アイランドキッチンに向かって、朝食の調理を開始した。

しばらくすると、リビングの扉が開いて我成が入ってきた。
まだ眠いようで、あくびをしながら梅乃の方に近づき「ウメ、おはよー」と後ろから抱きついてきた。

「フフ…おはよう!
昨日も遅くまで仕事してたみたいだね」

「んー」
猫のように、梅乃に頬を擦り寄せる。

「ゆっくり寝てればいいのに…(笑)」

「やだよ。
ウメと朝ご飯食べて、ギュッてして、チューして、送り出してから寝るから」

「もう/////(笑)」

顔を赤くしてクスクス笑う、梅乃。
我成が後ろから、梅乃の左手に触れた。

「ん?何?」

「………」
無言で、左手の薬指に触れた。

「我成?」

「ここ…」

「ん?」

「結婚、ちゃんと考えてくれてる?」

「うん」

「ほんとに?」

「………うん」

「俺、本気だからね?」

「うん…」

「………」

「我成…」

「………」

「………ごめん…ね…」 

「………」

「………」

「………あーーー!!!」
バッと梅乃から離れて、声を張り上げる。

「え?我成?」

「ごめん!!
今の、なし!
それは言わない約束だったのに」

「ううん」

「………こうゆうとこが“ガキ”なんだよね(笑)
ごめんね」

我成は切なく微笑んだ。


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