とある年の差カップルのほのぼのな日常
「ご家族で?」

「うん、まぁね〜!」

リノは、いかにも金持ちそうな物で着飾り、持っている物もブランド物を見せびらかすようにちらつかせていた。

(相変わらずだな…)
「じゃあね」
関わりたくなくて、早々に離れようとする梅乃。

「ちょっと待ってよ!」
しかしリノに、呼び止められる。

「え?
ごめんね、私急いでるから」

「ふーん…仕事?」

「は?
プライベートだけど」

「じゃあ…保護者として来てるとか?」

「違うよ」

「だって、若い子ばっかじゃん!
保護者としてじゃなかったら何なの?」

「だから――――――」

「デートですけど?」
そこに我成が、リノを見据えて言った。

「え?デート?
誰と誰が?」

「トリプルデートみたいな感じですよ。
俺の友達カップルが二組と、俺とウメ」

「はぁ?(笑)
冗談でしょ?(笑)
あなたと梅乃が!?
見た感じ、親子じゃん!」

「は?
やめてください。
俺の婚約者をバカにしないでください」

「婚約者!?
嘘でしょ…梅乃」

「ほんとだよ。
ねぇ、もういいかな?
我成行こ?
ルタくん達も、ごめんね!」
我成を引っ張り、ルタ達に微笑んだ。

すると、逆に引き寄せられ………

「え………
…………んんっ…!!?」

我成に口唇を奪われるようにキスをされた。

梅乃は目を見開き、慌てて押し返す。
「ちょっ…我成!!」

我成はリノを見て言う。

「“これが”証拠です。
もう良いですよね?
なのでこれ以上、俺の婚約者を侮辱しないでください」

そう言って梅乃の手を引き、ルタ達とその場を後にした。
そして、微笑んだ。
「フフ…しちゃったね!」

「言ったでしょ!
ここは、神聖な公共の場なの!」

「だってぇ〜、あの“ババァ”が、わかってくんなかったんだもん!
あーゆーバカなババァには、あーするのが一番わかりやすいでしょ?」

「………」
(ババァ…)

「つか、あのババァの最後見た?(笑)」
「うん、あのオバサン、アホみたいな顔してた(笑)」

「あのオバサン、ウケる〜」
「ですね(笑)」

ルタ、ユタカ、ニコ、ネムも、順に言ってクスクス笑っている。

「もう…やめてぇ…
ほんとのことだけど、オバサン、オバサン言われると傷つく…」

「え?梅乃さんのことじゃないっすよ?」

「え?でも、私もさっきの女性と同じ年齢…」


「だって、ウメ(梅乃さん)(梅ちゃん)は“オバサン”じゃないもん……!!」

我成達の声が、綺麗にハモリ響いた。


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