とある年の差カップルのほのぼのな日常
我成の複雑そうな顔の理由は、学園祭に行ってすぐわかった。

「キャ~!我成先輩だー!」
「ヤバ!めっちゃカッコいい〜!」

イケメン我成は、大学でも人気者だった。
元後輩達が、我成を見て黄色い声をあげている。

これか…!

「隣誰?」
「お姉さん、とか?」

おっ!
“お母さん”って言われなかった(笑)

ちょっと嬉しい!
少し若く見られた(笑)

恋人に見られるのは皆無。

私としては、親子より姉弟に見られるほうがまだ良い。

私が密かに微笑んでいると、我成が「ウメ、早く見て回って帰ろ?」と言ってきた。

「え?うん」

人気者なの、そんなに嫌なのかな?


それから―――――我成に急かされるように回る。

「我成、何か食べよ?」

「うん、いいよ」

「何が良いかな?
我成は何食べる?」

「ウメが決めなよ。
ウメと一緒に食べるから!」

「そう?
うーん…
………あ!たこ焼きは?」

「ん、いいよ」

一パック買って、近くのベンチに並んで座った。
「フフ…美味しそうだね!」

「ウメ、あーん!」
口を開けて待つ我成。

か、可愛い…//////

私は一つ爪楊枝で刺し、何度か息を吹きかけて我成の口元にたこ焼きを持っていった。

「………ん…あふっ…!!」

「え!?あ、熱かった!?
ご、ごめんね!!」

まだ熱かったらしく、あふあふしている我成。
慌てて、お茶のペットボトルの栓を開け渡す。

「ん…大丈夫…!」

「ほんと?
ヤケドしてないかな?」 

「うん、大丈夫だよ」

「良かった…!」

「ねぇねぇ、俺もあーんしたい!」

「え!?は、恥ずかしいよぉ…//////」

我成が爪楊枝を取り、一つ刺して息を吹きかけ、あーんしてきた。

私は周りが見てないのを確認し、口を開けた。
「あーー……ん…んん…あふ……」 
今度は、私があふあふして食べた。
 
「熱い?」

「んーん…だいひょ…ふ…!(大丈夫)
美味しい!」

「ウメがあふあふするの、可愛い//////」

「え?
我成の方が、あふあふ可愛いよ!」

「ううん、ウメだよ」

「いやいや、我成だよ」

「フフ…」
「フフフ…!」

微笑み合っていると、突然「我成先輩〜!!」と声が聞こえてきて、学生二人がこちらに駆けてきた。


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