とある年の差カップルのほのぼのな日常
「あ、お疲れ〜」

「良かった〜来てくれた!」
「早速なんですが、見てほしいのがあるんです!」 
「A室まで来てくれません?」

「え?
うーん…
悪いけど、彼女と来てるから」

「え?我成、いいよ!行っておいでよ!」

「は?
やだよ。
ウメを一人にしたくない」

「私は大丈夫だから!
この辺、プラプラしてるし!」

「ダメ。プラプラは俺と一緒!」

「あ、えーと…彼女さんも一緒で構わないので!」
「お願いします!我成さん!」

「ウメも一緒なら良いよ」

行きたい出店、あったんだけどな……

結局、我成に連れられ学生達について行った。


「―――――これ、見てほしくて!」
「もう少しで完成なんですが、なかなか上手くいかなくて……」

ネットゲームらしい物を作っているようで、難しそうなプログラムが並んでいた。

アナログ人間の私には、何がなんだかわからない。

我成は、椅子に座りカタカタ…とキーボードを叩く。
「ここは、こうで……
………こんな感じにしたら?
ここまでしないと…セキュリティの問題もあるし」

「なるほど!」
「さすが!我成先輩!」

「……/////」
私は、我成に見惚れていた。
パソコンに向かう横顔が、あまりにも綺麗だったから。

仕事中も、こんな感じなのかな?
こんな素敵な人と、私はお付き合いしてるんだ…!

私、凄い…!

他人事のように、そんな事を考えていた。

それからも、色んな後輩からアドバイスなどを求められていた我成。

色んな学生から慕われていた。

私はそんな我成を誇らしく思うと共に、寂しさを感じていた。

我成が、遠くにいったような気がして………

なんか…ここにいたくないな……

私は、ゆっくり我成達から離れた。

【ちょっと、出てくるね】
我成にメッセージを送り、外に出て気になっていた出店に向かった。

アクセサリーや小物を売っている出店だ。

ハンドメイドのようで、どれも個性的で可愛い。
その中の、ペアのブレスレットに目が行く。

「可愛いですね、これ!」

「ありがとうございます!
これ、二つ合わせると天使がキスをするんですよ!」

「あ、ほんとだ!可愛い!
これ、ください!」

「はい!ありがとうございま〜す!」

買おうかどうか迷っていると、隣に二人の女子学生の客が来た。

「やっぱ、我成先輩カッコいいよね〜」
「卒業して、更にって感じ!」

私が隣にいることには気づいていないようだ。

「先輩には言えないけどさ…」

「ん?
あー、あのオバサンでしょ?」

「なんであんなオバサンなんだろね〜!」

私は、静かにその場を後にした。


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