とある年の差カップルのほのぼのな日常

【我成 side】

俺のウメは、ウサギみたいな人。

小さくて、可愛くて、真面目で真っ直ぐ。
いつも穏やかで微笑んでいて、そして実はかなり……

寂しがり屋だ。


「――――ウメ?
………寝た…かな?」

俺はウメがいる時、できる限りウメの傍にいると決めている。

ウメはずっと一人だったからだ。

話でしか知らないけど、厳しい両親に躾けられ、結婚相手を勝手に決められ、浮気されて捨てられ、最後は両親に見放された。

だから俺は、ウメを“一人にしない”

ウメは俺を、甘えん坊だと認識してるみたいだけど(笑)

それならそれでいい。

ウメがまた、一人ぼっちにならずに済むのなら……!


「可愛いなぁ…///////」
ウメの寝顔は、ほんと可愛い。

俺はウメのおデコにキスを落として、起こさないように腕を抜いた。
そしてベッドを下り、寝室を出た。

ベランダで煙草を吸って、仕事部屋に向かった。

様々な企業などの顧客のデータ管理の仕事をしている、俺。
パソコンがあれば、何処でも仕事が出来る。

やっぱ、この仕事にして良かった。

しかも俺の勤めている会社は、在宅勤務が可能。
ITには元々から興味あったし、在宅勤務出来るし、その分責任が重大だけど、これ以上の仕事はないと思っている。

元々は、母さんのためにこの職場を選んだ。
介護をしながら、仕事が出来ると思ったから。

就職する前に亡くなったけど……


「…………んんーーー!!」

しばらくして大きく伸びをする。
部屋を出て、寝室に向かった。

ウメの寝顔を見つめるためだ。

「可愛い…」

ベッド脇に腰掛け5分程見つめ、ベランダで煙草を吸って、また仕事を再開。

朝5時頃まで仕事をする。
そして、寝ているウメを抱き締めて眠る。

まぁでも…一時間くらいで、ウメが起きるんだけどね(笑)

目が覚めてリビングに向かうと、ウメが朝ご飯を作りながら笑顔で迎えてくれる。

それだけで俺は、幸せを感じる。

「んー、ウメおはよ……」
ウメを後ろから抱き締める。
頬を擦り寄せて更に密着して、ウメが俺のってのを噛みしめる。

「おはよう!
もう少し寝てていいよ?
出来たら起こすよ?」

「ん…やだ…
ウメとギューするの……!」 

そしてウメの左手の薬指に光る指輪を見つめ、満足感を得るのだ。


ウメは、俺の!!!って。


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