とある年の差カップルのほのぼのな日常
約二時間後。
トラブルが落ち着いてマンションに帰る。

リビングに行くと、間接照明の光だけで部屋の電気は消えていた。

起きて待ってるかと思ったが……
寝室に行くと、ウメは俺の枕を抱いて眠っていた。

「良かった…」
思わず声になって出た。

それにしても……俺の枕を抱いて寝るなんて、ほんと可愛すぎる!!

ウメにキスを落とし、シャワーを浴びて、もう少し仕事をするため仕事部屋に向かった。

一時間半くらい仕事をして、漸く寝ようと思い寝室に向かう。

その途中………

「………ん?」

リビングのドアから光が漏れていた。
確かに帰って来た時は、電気は消えていて間接照明だけだった。

間接照明を切って仕事部屋に行ったから、光が漏れるわけない。

まさか!

「ウメ!!」

「あ、我成!
遅くまでお疲れ様!
今ね、コーヒー入れ―――――」

「寝ててって言ったよね?」

「え?あ、ちゃんと寝てたよ?
でもね、目が覚めたの」

「寝よ?
俺も寝るから」

「う、うん」

パタパタと小走りで寄ってきた。
俺はウメの手を握ると、指を絡めて握りしめた。

「………我成」

「何?」

「お、怒った?」  

「怒ってないよ。
ただ…悲しいの」 

「え!?」

「ウメが、本心を言ってくんないから」

「え、えーと…」

「本当は、寂しかったんだよね?
“行かないで”って言いたかったんだよね?
もちろん仕事だから、そう言われても仕事に行ったけど、ウメの気持ちをちゃんとぶつけてほしかった」

「うん…ごめんね…」

「ねぇ…言ってよ」

「え?」

「今、聞かせて?
“本当は”どう思ってたのか」

向き直って、ウメを見据える。
するとウメは、意を決したように言った。

「…………寂しかった…よ…?」

「うん」

「寝ててって言われても、寝れないの」

「うん」

「だって、私……
我成に抱き締められて、頭を撫でてもらわないと寝れなくなっちゃったし」

「うん」

「我成が悪いんだよ?」

「うん」

「我成が甘えん坊だから!
私から離れないから!
私も、離れられなくなっちゃったんだよ!」

「うん」

「………」

「ごめんね、ウメ。
でも、嬉しい!
ウメに必要とされて!」

「我成」

「ん?」

「好き」

「うん!俺も大好き!」

「好きなの、どうしようもなく」

「うん、俺の方がどうしようもなく大好き!」

「ん!」

ウメが両手を広げる。
俺はフフ…と笑って、抱き締めた。
向き直って、どちらからともなくキスをした。

そして………
ウメが言った。


「ねぇ…今から“一緒に”シャワー浴びよ?」

……って!!

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