とある年の差カップルのほのぼのな日常
“もし、一度でも手を離したら………
俺がさらうからな……!”


「…………そうゆう意味だったんだ…」

梅乃の手を引きながら、ポツリと呟く我成。

「え?我成?」

「どうして、もっと早く言ってくれなかったの?」

「え?」

「ヤスコに責められたのって、今回が初めてじゃないよね?」

「あ…」

「だからウメ、最近やけに甘えてきてたんだね」

「ご、ごめん…ね……」

「ほんとに、悪いと思ってる?」

「うん、も、もちろん!」

「じゃあ…
もう二度と、一人で抱え込まないで?」

「う、うん」

「俺を信じて?」

「我成…」

「さっき言ったこと、本心だから……!」

「うん……!」


――――――それから二人とも、それぞれ仕事に戻った。

梅乃は、我成が言ってくれた言葉を思い出していた。

“俺の幸せは、俺が決める”

「………」

『俺は、他でもない“月本 梅乃”が好きなんだ。
年齢は関係ないんだよ?
ウメに試食として渡された弁当を受け取った日から、俺はウメの笑顔と性格に惚れてるんだ』

ずっと、不安だった………

一回り以上の年の差。
両親に強いられた人生と、裏切られた過去。
そして、一人になる苦痛と孤独。

もう二度とあんな思いをしたくなくて、我成の想いからも逃げていた。

「………」

私の幸せも、私が決めないと………!

私の幸せは、何だろう。

そうだ……!
私の幸せも、我成との生活。
だって今現在の我成との生活が、幸せだから。

梅乃は何かを決意したように、スマホを取り出す。

そして、ある人へ連絡をした。

もう………

迷わない―――――――


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